ビジネスプロセスの刷新と自動化を実現したE-on、180万ユーロ以上の費用対効果も達成

課題

エネルギー市場における自由化は、E.ON Beneluxのようなエネルギー企業にとって、大きなインパクトのあるものでした。
新市場の構成における変化だけでなく、E.ON Beneluxは「変化し続ける法律と規制」、「刻々と変わるマーケットの状況」、「合併と買収」、これらに伴う競争の激化といった問題を抱えていました。

こうした問題を解決するため、E.ON Beneluxは、短期間での企画提案から顧客管理にいたるまでをカバーし、自動化するビジネスアプリケーションのデリバリが不可欠だと判断しました。E.ON Beneluxは、新しいアプリケーション開発にあたり、以下の目標を掲げました。

• 数週間でビジネスユーザーが利用できるようにすること
• どのアプリケーションライフサイクルのステージであっても変更がいつでも簡単に行え、
  実際の業務に対し継続的にあわせていくことができること
• 多くの既存システムとの連携が、最小限のプロジェクトリスクで行うことができること
• SOA (Service Oriented Architecture)の下、実装することができる
• ウェブベースのアプリケーションであり、ビジネスユーザーにとって使いやすいこと

OutSystems Platformを選んだ理由

E.ON Beneluxは容易な変更ができること、またウェブベースのアプリケーション作成ができる点に注目し、OutSystems Platformを今回のプロジェクトに選択しました。

• アプリケーションリリースの迅速さ
• 柔軟な変更ができ、業務内容に確実に合わせられる
• SOA機能
• 特定のクローズドされたレガシーシステムとの連携が可能

ソリューション: Energy Management System (EMS)

OutSystems Platformとその方法論を導入し、E.ON Beneluxは新しいEnergy Management System (EMS/エネルギー管理システム)を開発しました。
複数層のSOAフレームワークに基づき、EMSは複数のウェブビジネスアプリケーションと統合され、ビジネスパフォーマンスを大幅に向上させています。

• エネルギー収支、スケジュール、担当者管理機能
  エネルギー収支ポートフォリオ、事前スケジュール及び日中のスケジュール管理、入札及び担当者管理、プロフィール管理がカバーされており、短期間の企画やアクティビティのスケジュール管理が容易に行える。
• インバランス決済 & 調整機能
  6週間でデリバリされたこの機能には、エネルギー検証パイプライン、インバランス調整検証、電力グリッドオペレータの割当、メータリングデータ検証が含まれる。ユーザインターフェースは、組織内で必要な情報を別個にカバーし、インバランスが発生しうる可能性とその原因を特定する。また、登録管理及び同期機能により、マスターデータ、切り替えプロセス、接続傾向と履歴といった情報が確保されるため、マスターデータの正確性が高く、登録管理プロセスに関わるメンバーを支援。
• カスタマーポータル
  電力化重量のプロファイリング、契約情報、マルチサイト契約情報、XML統合を含む。このカスタマーポータルは顧客に直接関わるチャネルとなっており、顧客はポータル上でエネルギー関連のデータに直接かつリアルタイムでアクセスできる。
• EbIX Messaging
  ビジネスでの取引業務を自動化し、取引情報の監査、モニタリング、レポート、バージョン管理がメッセージに組み込まれている。

ソリューションの機能

• エネルギー収支
• スケジュール及び担当者調整
• インバランス決済及び調整
• 登録管理及び同期
• カスタマーポータル
• EbIX Messaging

連携とプロトコル

• SELIA
• Regulator
• RTE
• KW3000
• Energy ICT
• Gasunie
• SCADAe

成果

技術面だけでなく、OutSystems Platformは財政面においても成功をもたらしました。
E.ON Beneluxは、請求書のエラーが減り信頼のおけるポートフォリオを提供できるようになったこと、そして自社のリソースとサービスを最適化したことで、毎年185万ユーロもの節約を実現しています。

• アジャイルへの適応
  OutSystems Platformと方法論を用いることで、ビジネスニーズに基づいた機能の優先度が整理でき、「一番大事なものは一番初めに」というデリバリが可能になった。ビジネスユーザーはすべてのプロジェクトフェーズで関わっており、開発したアプリケーションが実際のビジネスに確実に則す結果となっている。EMSは4年間ノンストップで動き続けており、その適応度は100%である。
• SOAへの適応
  OutSystems Platformは、企業の持つソフトウェア資産をアプリケーションに再利用できるため、実装よりもアセンブリに注力できる。コンポーネンツは内部用の新しいアプリケーション開発のために使用され、他の外部システムと統合する際にも使用された。ウェブサービスは初めからサポートされている。
• 継続的な変更
  すべてのアプリケーションは継続的な変更がなされることを前提に作られており、実際のビジネスがすぐに反映される。EMSは多くの変更要求を反映しており、実際に現在動いているアプリケーションはVersion 4となっている。
• 統合・連携
  OutSystems Platformの持つ連携機能は、大規模なレガシーシステムの連携におけるリスクを最小化している。EMSは実際に、ELIA, Regulator, RTE, KW3000, EnergyICT, Gasunie, SCADA, XML, EDI, Secure Connection (SMIME), Screen Scrapingと、多くのシステムと連携されている。
• インバランス時に発生するコストの削減
• ガスポートフォリオの最適化
• 間違った請求書発行を回避
• 変動する電力・ガスの一日の市場利益を提示
• リスク回避のための正確なポートフォリオ概要を提供することで、利益を増加